箱根駅伝の全10区間の中で特に注目を集めるのが山登りの5区です。

この山登りで素晴らしい記録を残した選手は近年「山の神」と呼ばれるようになりました。

初代・山の神は順天堂大学の今井正人選手、2代目は東洋大学の柏原竜二選手、そして3代目は青山学院大学の神野大地選手です。

箱根駅伝5区山登り 歴代の山の神 初代・2代目・3代目の記録と現在

5区は第76回~第81回大会(2005年)の20.9km区間時代と90回大会(2014年)までの23.4km区間、92回大会(2016年)までの23.2km区間とあり記録は単純に比較できません。

2006年に鈴廣前にあった小田原中継所がメガネスーパー本社前に移動され距離が2.5km伸び、2015年にはの函嶺洞門が通行禁止となったためバイパスを通るようにコースが変更されました。

今井正人選手は20.9km時代と23.4km時代、柏原竜二選手は23.4km時代、神野大地選手選手は23.2km時代を走っています。

2017年の93回大会からまたコースが変更になるため3選手とも参考記録として区間記録が残ります。

箱根駅伝5区山登り 歴代の山の神 初代・今井正人選手の記録と現在

山の神の元祖・初代山の神は順天堂大学に所属していた今井正人選手です。

2005年の第81回箱根駅伝、前年の走った2区のラストの上りが評価され5区に起用されると5区史上最多の11人抜き、さらにそれまでの区間賞を2分以上更新して区間新記録を出しました。

コース変更があった翌年の82回大会(2006年)でも5区を走り区間賞で区間記録を残し、翌年の83回大会(2007年)にはさらにその記録を25秒削り区間記録を更新しました。

5区で3年連続区間記録を更新という快挙で順天堂大学の往路優勝・総合優勝に貢献しました。

この大会で実況が「山の神、此処に降臨!」といったことから山の神と呼ばれるようになりました。

今井正人選手の箱根駅伝の結果と記録
第80回大会 2区 1時間10分10秒 区間10位
第81回大会 5区 1時間09分12秒 区間新記録
第82回大会 5区 1時間18分30秒 区間新記録
第83回大会 5区 1時間18分05秒 区間新記録
※82回大会はコース変更があったため区間賞=区間新記録

今井正人選手は順天堂大学を卒業後、実業団に進みトヨタ自動車九州に入社しました。

2013年の第57回ニューイヤー駅伝で区間賞を獲得するなど駅伝での活躍を続ける一方マラソンでも好成績を残しています。

2008年8月31日の北海道マラソンが初マラソン、2014年2月2日の別府大分毎日マラソンでは初のサブテンの2時間09分30秒というタイムで2位に入っています。

北京で行われた世界陸上2015の選考会である2015年2月22日の東京マラソン2015では自己記録の2時間07分39秒というタイムで日本人最上位の7位に入り世界陸上北京大会の日本代表に選ばれます。

しかし本大会前に髄膜炎にかかり体調を崩し欠場しています。

リオデジャネイロオリンピック2016の選考会では東京マラソン2016に出場したものの2時間12分18秒で13位に終わり日本代表入りはなりませんでした。

箱根駅伝5区山登り 歴代の山の神 2代目・柏原竜二選手の記録と現在

2代目山の神は東洋大学時代の柏原竜二選手です。

柏原選手が新・山の神と言われたのは今井正人選手が山の神を襲名?した翌々年の85回箱根駅伝(2009年)です。

今井正人選手の区間記録を47秒も更新する1時間17分18秒というタイムで東洋大学の往路・復路共に首位の総合優勝(初優勝)に貢献しました。

同じ福島県出身である今井正人選手がゲストで出演している前で「新・山の神」「山の神童」と言われ5区デビューをしています。

柏原選手は4年連続で5区を走りすべて区間賞を獲得。3度区間記録を更新しています。

柏原竜二選手の箱根駅伝の結果と記録
第85回大会 5区 1時間17分18秒 区間新記録
第86回大会 5区 1時間17分08秒 区間新記録
第87回大会 5区 1時間17分53秒 区間賞
第88回大会 5区 1時間16分39秒 区間新記録

大学を卒業後は実業団入りし富士通の陸上部に入部しています。

マラソンの自己記録は初マラソンのシドニーマラソン2015で記録した2時間20分45秒。

2度目のフルマラソン挑戦のびわ湖毎日マラソン2016では25km付近までは上位につけたものの失速し2時間22分15秒の52位に終わりました。

箱根駅伝5区山登り 歴代の山の神 3代目・神野大地選手の記録と現在

3代目は青山学院大学に所属していた神野大地選手です。

大学1年生の時には3大駅伝の出場がなかったものの2年生でエース区間の2区を走り区間6位となり翌年の2015年第91回大会で函嶺洞門が通行禁止となって初の5区山登りに挑みました。

この初の5区で区間2位の走りを見せた日本大学のダニエル・M・キトニー選手よりも1分半速い、1時間09分44秒という記録で区間賞、コース変更後のため区間新記録を残しました。

さらには2位の明治大学に4分59秒の大差をつけて青山学院大学の往路優勝・総合優勝に貢献しています。

翌シーズンは怪我に悩まされたものの2016年92回大会は日本大学のキトニー選手に次ぐ2位で青山学院大学は1度も1位を譲らない完全優勝での連覇を果たしました。

神野大地選手の箱根駅伝の結果と記録
第90回大会 2区 1時間09分44秒 区間6位
第91回大会 5区 1時間16分15秒 区間新記録
第92回大会 5区 1時間19分17秒 区間2位
※91回大会はコース変更があったため区間賞=区間新記録

卒業後の進路は実業団があるコニカミノルタに入社。

まだフルマラソンの試合経験はないようですがハーフマラソンでは1時間01分21秒という記録を残しています。